トニーズレター Tony's Letter

ちょっと後悔していることがあります。

もう、いつのことなのか、
はっきりと憶えていないぐらいなのですが…ぽりぽり。

ある日、叔父から本を借りたのです。

で、そこまではよかったのですが、
数日して、同じ叔父が、紙の手提げ袋を持って、
お店に現れたのでございまする。

「トニーちゃん。
　これも、貸してあげるよぉ♪」

…とね☆

紙袋には、文庫が20冊ほど、入っていました。

この時、一瞬、断ろうかと迷ったのです。

でも、せっかく持ってきてくれたのだし、
その本の中に、池波正太郎の小説もあったもので、
まげ物…時代小説ですね♪

それで、池波正太郎の小説なら、読むかも…
…ということで、
ついつい、借りてしまったのでございまする。

失敗☆

借りなきゃ、よかった。

その後、2、3度、その叔父から、
「何が、おもしろかった？」とか、
「何冊、読んだ？」とか、
「そろそろ返してほしい…」とか、
言われました。

でも、実をいいますと、
まだ2冊しか、読めていません。

本は、つくづく、ひとから借りるものじゃないな…
…と、思いました。

後悔しておりまする。

わたしは、もともと本好きで、
40年来、ほぼ毎日、本を読まない日はありません。

本を読むのは大好きですし、
毎日の習慣でもあるわけですが、

どうやら、ひとからすすめられて、読むのは、
難しいようです。

自分がその時読みたい本を読む…
…ってことじゃないと、ダメみたいなんです。

さて、と。

このところ、くだんの叔父から、
本の話は、パッタリ、出なくなりましたが、
できれば、返してしまいたいのです。

でも、返す時に、
「トニーちゃん、おもしろかったでしょう？」
などと、きかれるのが、恐くて、
なかなか、返す踏ん切りがつきません。

つくづく、本は、
ひとから借りるものではない…
…と思いますな☆




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